留学エージェントの提供する主要なサービスのひとつに「留学前オリエンテーション」があります。どういう目的で、どんなふうに行われるのでしょうか。長年 にわたり、多くの海外留学生を送り出してきた、「JAOS認定留学カウンセラー」スクーリング講師で、元・留学ジャーナルの藤延芳子さんに解説いただきました。
藤延芳子(ふじのべよしこ) 「JAOS認定留学カウンセラー」スクーリング講師。元(株)留学ジャーナル取締役。大学時代にアメリカに留学したことをきっかけに、卒業後、30年に渡り、留学事業に従事。日本における留学カウンセラーの草分け的存在で、留学カウンセリング、講演、執筆を通して、海外に留学する人たちを応援。近年は、留学カウンセラーの研修、養成に力を注いでいる。 |
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では、具体的にどのようなことが「留学前オリエンテーション」で話されるのでしょうか。集合セミナー形式で行われる一例を見てみましょう。
「留学前オリエンテーション」の中で最も重要な部分です。留学エージェントは豊富な事例を持っていますので、成功例や失敗例を挙げながら、具体的に留学カウンセラーが語ります。例えば次のような内容です。
他人の気持ちを察することが美徳である日本とは大違いの欧米社会。困っているのに察してくれないとか、人が冷たい、とか思う前に、自分は“言葉”で意思表 示しているか振り返ってみよう。Yes, Noはもちろん、自分はこう思う、こう感じる、と伝えよう。自分の考えを語る人は好かれる。
日本とは異なる社会では、日本の常識が非常識で、そこから事件や犯罪に巻き込まれることもある。
英語はペラペラという人でも必ずぶつかる英語の高い壁。英語ができない人なら尚更、英語がわからないショックの洗礼を受けるはず。でも、英語が上達しない で帰国する人はいない。上達のポイントは、授業では前の席に座る、必ず質問を用意して授業に出る、先生を捕まえて質問し顔を覚えてもらう、など。
その他、現地はさまざまな人種の社会であること、ホストファミリーやルームメイトとの上手な付き合い方、異文化に適応するための方法、などが話され、留学する心構えができ上がります。 |
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国によって異なるチェックインバゲッジ(飛行機に預ける荷物)の大きさや重さが説明され、留学するにあたってどんなものを持っていったらいいのか、具体的なアドバイスがされます。
用意しておくと便利なもの、知っておくと便利なことなどが話されます。
出発当日の流れが説明されます。留学生は出発から現地到着までをイメージしながら、心の準備をします。最も重要な入国審査では、審査官の質問への答え方によっては入国拒否されることもありますから、スムーズに入国審査を通過するコツなどは貴重な情報です。
日本の空港では、搭乗手続き→荷物検査→税関→出国審査の順で行われる。万一、搭乗時間に遅れた時は緊急連絡先へ。フライトキャンセルがあった、乗継便が変更になった等の対処法。
現地到着空港では、入国審査→バッゲージクレーム→税関の順で進む。”My purpose of visit is to study.” “I will stay for one year.”などきちんと答えること。留学が終わったら現地で働きたいなど決して言ってはいけない。荷物が出てこないことが時々起るが、あわてずにロスト バッゲージの手続きをしよう。
出迎えサービスを利用する人は出迎えサービスのサインを持った人を指定の場所で見つけること、出迎えサービスを利用しない人はタクシーやリムジン、シャトルバス等を利用する。万一、出迎えサービスに会えなかった時は指定の連絡先に連絡する。
留学中、一番心配なことは「現地で困ったことがあったらどうしよう…」ということでしょう。こんな時どうする?ということが事例を含めて具体的にアドバイスされます。 例えば次のような困ったことが起こったときです。
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緊急時の相談先として次のようなところが説明されます。
大学には必ず、心理カウンセラーが存在する。心理的に落ち込んでも、日本ではあまりカウンセラーに相談することはないが、欧米の大学では心理カウンセラー に相談するのはごく普通のこと。小さな英語学校でもアドバイザーは存在するので、困ったことがあったら自分で抱え込まないで相談することだ。
留学エージェントの多くは、現地オフィスやそれに準じるサポートセンター、緊急連絡先を持っている。留学するにあたって留学エージェントを利用する大きなメリットだ。
在留届の提出方法、パスポートを紛失した時の再発行など、日本領事館を利用する時の連絡先、場所などを説明。
留学する時に海外留学生保険に加入するが、病気、事故時には保険会社のサポートを受けよう。日本語が話せる医師の紹介もある。
さて、このような「留学前オリエンテーション」を受けて留学しても、予想しなかったトラブルが起こることがあります。楽しい思い出だけを持って帰ってくれ ばいい観光旅行と違って、留学は困難なこと(トラブル)に遭遇して、それを乗り越えた経験が留学の大きな収穫物となります。
もちろん、事件や犯罪などシリアスなトラブルは避けたいことですが、「留学生活ではトラブルは起こるもの」と考え、トラブルにぶつかったら、前向きに、積極的に、楽観的に、柔軟に、対応することが大切です。