高校留学インタビュー:Dew(デュー)
 
カナダのRichmond International Highschoolで3年を共に過ごし、現在はデュオ「Dew(デュー)」として音楽活動を行う清水悠さんと大西春奈さん。
「カナダに行かなければ歌の楽しさを知ることもなく、今の自分たちはなかった」と言うおふたりに、留学の体験談や、デビューのきっかけなどについて伺いました。
Dew写真
カナダ風景写真
留学のきっかけについて教えてください
清水 悠: 「留学への興味はそれほどなかったのですが、母のすすめで体験留学に参加してみたらすごく楽しくて、先生とのコミュニケーションも日本では味わえないものでした。例えば先生に『美術室の壁に絵を描きたい』と言うと、『やっていいよ〜! ペンキも使っていいよ』という答えが返ってきて、『こんなに自由な場所があるんだ』と、とにかく新鮮でした。そして、この体験留学で春奈と出合ったのです。その後、日本に帰ってからも連絡を取り合って、『来年からはどんなことする?』というような話をしてドキドキしていましたね。」
大西春奈: 「初めての海外旅行で行ったカナダで英語に目覚めて、中学時代は英語のラジオを聞いたり、英会話学校に通ったり、海外のペンパルと手紙のやり取りをしていました。中学3年のときに学校の語学研修でオーストラリアに行き、そこで「絶対留学したい」という気持ちが固まり、カナダへの留学を決めました。でも、日本の学校がエスカレーター式だったので両親には留学に大反対され、学校の先生からの風当たりも強くて辛いこともありましたが、カナダに行くためならどんなことでも耐えられました。」
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実際の留学生活はどうでしたか?
清水 悠: 「学校には中国やドイツ、インド、メキシコ、ケニア、キルギスなど、さまざまな国の生徒がいました。お互いに間違いだらけの英語でも楽しく会話ができたので、英語を話すことがあまり怖くなくなりました。また、地元の有志の学生が学校に来て、一緒に授業を受けることもありました。しかし、基本的に生徒はみんな留学生なので、先生も教科書をゆっくり読んでくれたり、放課後、わからないところを質問に行くと、コーヒーとクッキーを片手に丁寧に教えてもらえたので、先生とは距離がすごく近かったですね。」
大西春奈: 「留学して2週間経ったころに、9.11のテロが起こり、そして最初の半年間を過ごしたホストファミリーとも馴染めず、留学当初はすごくナーバスになりました。でも、その後お世話になったユダヤ人の家族とは2年半一緒に過ごし、今も連絡を取り合っています。学校ではクラスメートとのやり取りで文化の違いを感じることが多く、例えばケニアの子に『ケニアでは週末何するの?』と聞くと、『狩だよ』って真面目に言われたりしました(笑)。『いろんな文化を持った人たちが、同じ制服を着てここにいるんだなぁ』としみじみ思いました。」
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歌との出合い、そしてデビューのきっかけは?
清水 悠: 「クリスという音楽の先生が、放課後に数人の生徒を集めて歌を歌っていて、私と春奈もよく誘われました。そうしたら『君たちの声は合うね、ふたりで歌ったら?』と言われて、ハロウィーンパーティーで春奈とビートルズの“イエスタデイ”を披露したのです。日本にいるときは歌が苦手でしたが、カナダで自由に歌う楽しさに目覚めました。」
大西春奈: 「ずっとピアノを習っていたので日本では伴奏に回ってばかりでしたが、実は幼いころから歌うことが大好きでした。悠ときれいにハモれたとき『歌うことはこんなに楽しいんだ』って思いました。人前に出て歌うことも、日本にいたらまわりの目が気になっていたかもしれませんが、カナダではやったことを普通に評価してくれたのでためらわずにやれました。」


最初は楽しいという気持ちだけで歌っていたふたりだが、歌手志望だったクリス先生の後押しもあり、卒業記念としてふたりのオリジナルCDを制作。それを日本のライブイベントの選考に応募し、見事通過したことから、デビューへの道が開かれていった。
   
大西春奈: 「クリスが自主制作していたCDの完成度の高さを見て、『自分たちも作りたいね』ということになりました。デビューのきっかけとなったライブイベントは、インターネットでたまたま情報を見つけたものですが、留学の記念として参加できればいいな、というくらいに思っていました。」
清水 悠: 「春奈と『青春の思い出として日本で1回ライブをしたいね』とは言っていましたが、本当にその程度だったのです。でも、ライブを見ていたディレクターに『本格的にやってみない?』と声をかけられて、今に至ります。本当にラッキーな偶然が重なりましたね。」
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おふたりは学生でもありますよね?
清水 悠: 「昔からアートをやりたいという夢があり、『アートで世界を目指すには英語が必要だろう』と思ったのも留学理由のひとつでした。最初は一般の大学を受験しましたが、結局、美大受験の予備校で1年間勉強して、2006年の春に多摩美術大学に入学しました。専攻はランドスケープです。」
大西春奈: 「国際的な仕事がしたいと思ったので、大学では国際機構などのシステムについて勉強しました。しかし、自分の興味があるのは、海外の文化やそこに住む人たち『文化が違ってもわかりあえる何か』なのだ、と気付き、途中で専攻の軌道修正をしました。今は大学院で比較文化を研究しています。」


カナダで大きな成長を遂げ、日本でミュージシャンとして、そして学生として充実した日々を送るふたり。ふたりの未来を切り開いた留学について、最後にそれぞれの思いを語ってくれた。
清水 悠: 「まわりを見ていると、自分で動けない人がけっこう多いと感じます。留学したいなら“そこからどう動くか”が重要で、まずは自分でいろいろやってみることが大切だと思います。あとは、間違いを恐れないこと。『間違いを恐れず英語を話そう』という気持ちが、みんなの中にもっと芽生えたらいいな、と思います。」
大西春奈: 「留学の意義は、英語を学ぶことだけではないと思います。本当のコミュニケーションは言葉を超えたもので、仲良くなりたいという気持ちは相手に届くということを自分の身をもって経験してほしいですね。一度海外で外国人になってみることで、日本で外国人をどうやって温かく迎えたらいいかが見えてくるのではないかと思います。」

取材・文/武田京子
profile
Dew(デュー) 清水悠(ボーカル)と大西春奈(ボーカル・ピアノ)によるユニット。カナダのRichmond International Highschoolで出会い、高校の3年間を共に過ごす。2006年、アルバム『croquis(クロッキー)』をインディーズレーベルよりリリース。2007年には、シングル『プレゼント』がMAX FACTOR「デュアル エフェクト ファンデーション」のCMソングに起用される。2008年7月、アルバム『花図鑑』でビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。清水悠は多摩美術大学の、大西春奈は国際基督教大学・大学院の学生でもある。
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